まっつの如来への道

わたし自身も法華経を理解するためにブログ書いていきます!

もしも香りで記憶が甦る世界だったら

こんにちは✋

まっつです。

今回は香りで「さとり」を得る世界を想像してみました。

本文↓

衆生たちは如来が放つ精妙で心地の良い香りを嗅ぎ、世尊にこう尋ねた。

衆生:「世尊よ、この香りは如何様にして発せられたのですか。そしてこの香りが思い出させようとしている記憶は何なのでしょうか。」

世尊:「この香りは我々の生きる意味が解き明かされる時に放たれる香りである。この香りは実に精妙で嗅ぎ分けずらい香りである。甘いだけの香りや刺激的な香りといったような感覚を破壊する香りを常に楽しんでいる衆生には、この香りは嗅ぎ分けられず、この香りに気付いたとしても悪臭に感じ、彼らにとって悪い記憶が甦り嫌悪する。しかしこの香りに辿り着き、それに反応する衆生は前世にきわめて徳高い行いをしてきたものである。そしてこの香りは香りにもならないような香りであり、すべてを含んだ香りでもある。これらの香りを繰り返し嗅ぎ続けることで、すべての記憶は甦るのだ。」


世尊のこの言葉を聞き衆生たちは、世尊が放った香りをさらに深く嗅ぎ分けた。すると、あらゆる世界の如来たちが種々様々な香料を使い衆生たちに記憶を甦らさせてる情景が映し出された。また自分自身が甘い香りや刺激的な香りを貪るように嗅ぎ続けていた過去世も見られ、自らが如来となりこの記憶を甦らせる作業をしている未来世までもが映し出された。さらには香り以外のものを使い記憶を甦らせる世界も見えた。これらの映し出された情景は全て同時に起きた。それはまるで桜の花が一斉に咲き誇るようにすべての世界に同時に広まり、すべての衆生の記憶が甦った。


世尊:「おまえたちは、この記憶を思い出し何を思うか。この世は始まってもいないし、終わってもいない。しかし、始まりと終わりがなければ、それを香ることはできない。だからおまえたちは、あらゆる香りを嗅ぐことが赦されるのだ。そしてこの記憶が甦ったからこそ、この香りを嗅ぎ、始まりと終わりを同時に見ることができたのだ。」

衆生:「世尊よ、わたしたちは今この香りで、すべてのことをさとることができました。(妙香無想)これでわたしたちは煩わしい悩みや苦しみから解放されます。」

世尊:「おまえたちは確かにさとりに近づいた。しかし、近づいただけである。おまえたちは、まだこの全てを思い出させる香りを嗅ぎきれていない。」

衆生:「世尊よ、なぜなのでしょうか。わたしたちはもう、この世が幻であることがわかり、心が落ち着き、未来世ではこの香りをほかの衆生たちに広めていることも約束されたはずです。」

世尊:「おまえたちよ、自惚れるな。この世は始まっても終わってもいないのであるから、すべての状態が存在するのだ。つまり、あらゆる分身が存在しているのだ。おまえたちが余のように如来となった未来世も、もちろん存在する。しかし、この姿に繋がるには精進努力を怠らないことだ。この姿が見えたとて、それに安心して怠けるでない。また植物が水と養分を必要以上に吸収すると根腐れしてしまうのと同じように、必要以上に香りを求めるこころは鼻を曲げる原因となる。余が放つこの香りは植物にとって恵みの雨であり、余はその雨をひとしく降らせる。しかし、同じ植物であっても植物は成長の早さや成長の仕方はそれぞれに異なるであろう。それと同じように、おまえたちがそれを嗅いで「さとり」に近づく段階もそれぞれ異なるのである。これを不平等に思うでない。むしろこれこそが平等なのだ。これらに気をつけて、おまえたちは今見たこのすべての記憶を他の衆生にも思い出させる手助けをするのだ。また衆生たちは個々に好みがあるから種々様々な香りを調合し、興味を惹きつけて、この『香りにならない香り』に導くのだ。そして自らが放った香りで、他の衆生を感化することができたのであれば、その香りはおまえたちが生まれ変わった世界に漂い、そこで再び嗅ぐことになる。こうして、この『香りにならない香り』を細かく嗅ぎ分けることができるようになるのだ。」

衆生:「世尊よ、わかりました。わたしたちは、他の衆生を惹きつけられるように種々様々な香料を得て調合し、自らの香りを放つことができるように修行していきます。」

世尊:「おまえたちそれで良い。余もおまえたちが未来世で放つ、その香りを楽しむであろう。」

そしてこの香りを嗅いだ衆生たちは、世尊から無限の香炉を授かった。

 

香りで「さとる」世界は、いかがだってでしょうか。これを読んでくれた方で、少しでも気づきが得られる人がいれば、わたしはとても嬉しく思います😊

最後まで読んでいただきありがとうございました🙇‍♂️